廻り整体RuTen(流転) 治療家の吉田です。
先日ライターされている方の施術をして、絶賛影響を受けています。
ですから、今日はいつもに比べたらすこ~し長めの文章になってしまうかもしれませんが、ぜひ最後までお付き合いください。
現在の整体業界について
現在整体院の数がどんどん増え続け、全国で50,000店舗以上(鍼灸院などは除く)もあるそうです。ということは、施術のやり方も増えていくわけです。その中で、「その人に合ったやり方」なんて言葉もよく耳にするようになりましたね。
実は、施術法には流行りがあったりもします。皆さんもご存じのものもあるかもしれませんが、「筋膜剥がし」、「肩甲骨剥がし」、「外反母趾治療」、「猫背矯正」など結構あります。
最近だと「歯のホワイトニング」や「酵素風呂」みたいなのも整体院でやっていたりしますね。ということはですよ。広告の仕方も流行りがあります。
そのあたりについても触れつつ施術法をご紹介していきたいと思います。
HPに書かれている施術法の嘘
見出しの通り、整体院のHPに乗っている情報っていうのは嘘が多い。でも、すべてのHPにある情報を見ないと気づけないでしょう。
例えば、「その人に合ったやり方」と「○○という施術法を行っています。」というのが一緒に乗っていたりします。
「ん?」
「それぞれに合ったやり方なのに全員に同じ施術法を行うの?」と思いませんか?
これは治療家にとって都合よく捉えているということ。つまり、ほんの一瞬だけ違う施術をすれば、それはそれぞれにあった施術ということになる。
目的が 治す” じゃなくなっている気がします。
施術に対する想い
当院では“除圧整法”という施術法も用います。しかし、一つの施術法を指すものではありません。どちらかというと、施術の方針という感じでしょうか。
僕自身はマニュアルというものがすごく嫌いで、施術を固定化されたり、話す言葉を決められたりするのを避けてきました。だからこそ、一つの施術法を指すものにはしなかったのです。
正確な数字は分からないですが、100以上ある手技(手技とは、機械や道具、鍼灸などを用いず、施術者の手によって行う施術のことです。)の中から施術方針に添ったものを選択する。これが、“除圧整法”です。
そもそも “除圧整法” ってなに?
「除圧」と調べると、手術のことが出てきます。脊柱管(せきちゅうかん)狭窄症(きょうさくしょう)の神経圧迫している部位を削り取って解放してあげる手術法です。あとは、褥瘡予防にもこの言葉を使ったりします。要は、圧迫から解放してあげる方法ということなんです。
当院では何に対してって言われると “人による“ 、どのような方法で、って言われると “何に対してかによる“ といった感じで、決まった除圧方法があるわけではありません。
それを見極めるために、問診や検査で何が原因で何に対して除圧が必要なのかを見極める。そのあとにそれに対しての施術法を行う。この一連の流れを当院では “除圧整法” と読んでいます。
除圧の対象となる組織で多いのが “筋肉“ です。
筋肉が→神経を圧迫するとしびれる。
→血管を圧迫すると血流障害。
→腹膜を圧迫すると内臓症状。
→骨を圧迫するとアライメント異常。
→関節を圧迫すると可動域制限。
などなど、ほかにも山ほどありますが、ざっくりとこんな感じです。
除圧整法を用いた施術
ここまで除圧整法について説明してきましたが、ここからは実際に除圧整法を用いた実例をご紹介していきたいと思います。
「例1」
70代男性、「腰部脊柱管狭窄症(脊髄という神経が背骨の中を通るのですが、その通り道を脊柱管と言います。この脊柱管が圧迫を受けて神経の通り道を狭めてしまう病気を脊柱管狭窄症と言います。一般的には靭帯の骨化や肥厚、椎間板の突出(ヘルニア)が原因と言われています。特徴的な症状は間欠性跛行という歩行障害がみられます。この間欠性跛行は歩くと足がしびれて動かせなくなり、前傾姿勢で休むと症状が緩和されるのが特徴です。)」の患者さん。
普段は趣味で畑を借りて農作業をしていたが、腰部脊柱管狭窄症が発症したことによって畑までたどり着けない状態になってしまう。院まで100メートルの距離だったが50メートルに一回休憩しないと歩けない(間欠性跛行)ので、近い距離ではあるが一回休憩してから来院したとのこと。改善経過は省くが、そんな状態からたった15回の施術で自由に歩けるほどに改善しました。
施術した箇所は腹部の筋肉である「大腰筋」です。一般的に言われている「インナーマッスル」のことです。この筋肉によって神経の逃げ場がなくなってしまい、症状が出ていました。腰部脊柱管狭窄症は足にしびれが出る疾患で、神経圧迫が確実にあるため、その神経の逃げ場を作ってあげることによって、症状が改善していったのです。
「例2」
20代女性、「機能性ディスペプシア(機能性ディスペプシアとは、逆流性食道炎に似た胃の不快感や胃痛などの症状が現れるが、胃カメラで胃や食道の状態を診ても異常が見つからなかった場合に診断される疾患です。以前までは「ストレス性胃炎」、「神経性胃炎」と言われていました。症状としては胃もたれ、早期膨満感、心窩部痛(みぞおちの痛み)、心窩部灼熱感などがあげられます。)」の患者さん。
ご飯はほとんど食べられず、1日小鉢2つ分くらいの食事のみ。体重も30キロも落ちたとのこと。もう、来院時には日常生活動作でさえ辛いという状態でした。食事指導として、1日の食事回数を(小鉢二つ分を)1日16食に分けてもらうように指導しました。施術を重ねていくごとに食事回数を減らしていき、その分食事量を増やしていきました。施術結果は、半年の施術で一日一食、鮭定食を食べられるくらいに改善しました。
施術した箇所は「腹膜」です。腹膜による消化器(考えられるのは胃)の圧迫により、食べたものをすぐに吐き出したくなるほどの逆流症状が出ていました。こういった症状は消化器の中だけで起こるものとも限りません。今回紹介したケースのように、消化器より外側に原因がある場合があるからこそ、正確に原因を見極めないといけません。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
なんとなく “除圧整法” についてはご理解いただけましたでしょうか?
患者さんの身体の状態は、症状だけではわからない。また、一つの施術法だけでは身体の状態に対応することができない。だからこそ、一つの施術法を指すのではなく、施術方針に名前を付けました。
当院の施術を受けることで、本当の意味で「患者さんそれぞれに合わせた施術」というものを理解していただくことができるはずです。
どこに行っても治らなかった。そんな方こそ治したいですし、整体を知らないという方にも、整体のすばらしさを知っていただきたい。
この記事を見て少しでも興味がわいたようでしたら
どんな些細なこと、どんな症状でも大丈夫。一度ご相談ください。
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